街道を山方面へと進んだ場所に、古びた空き家がある。


その空き家に、人の気配があった。



「ナゼ、戦わない!?」



腹を立てた禁は、辺り構わず怒鳴り散らす。


「……好戦的だな?あの人数と、殺り合うつもりだったのか?」


禁の激情に対し、闘兵衛は無表情で答える。


真っ暗な室内の中、禁と闘兵衛の視線がぶつかって、火花を散らし合う。


だが、そこにはもう1人の姿が存在していた。