「薄々は、気付いてましたがネ……?イイでしょう。アナタらの目的と、トゥルウ様の目的には、交差する部分があるようですね?」


ルソウは軽蔑するような視線で全員を見渡すと、問い掛ける。


「ならば……、利用させてもらうだけです」


呉越同舟。目には目を、歯には歯を、悪には悪をぶつけ合う。

ルソウは潔白ではなく、黒く染まるように、別の一面を見せつける。


「クク……」


ジェノスは喉の奥を鳴らし、満足気に笑う。

鼻を附くようなやり取りは、ジェノスの好むモノである。



「盗っ人の方々、財宝は大聖堂にあります……。私は大司教に用事があります。どうします?」


ルソウは冷ややかな眼を作り上げ、ジェノスに問い掛けた。