「死を誘う者は殉教者であり、神の領域に、足を踏み込みし者……」


ルソウはただ静かに、自らの所属する教団の中身を、語り続ける。


殉教とは言ったものの、明らかに麻薬による中毒症状である事は、明白だった。



「あの短剣は……、教団の象徴。死を誘う者は、ソレを守護する者です」


先ほどの不気味な存在をそう述べるルソウは、少し嫌そうな表情を浮かべる。


「彼らは短剣の匂いを嗅ぎとり、永遠と追い続けるでしょう……」


なんとも邪悪な存在であり、神の名の元に似つかわしくない。


まさに、欲望の塊であった。