闘兵衛は山育ちで山には慣れており、当たり前のように足場を固め、歩を進める。

皐月は闇で活動する職種の者であり、日頃の鍛練からか悪条件な環境にも非常に強かった。



「……止まれ」


数時間ほど山道を歩いただろうか、不意に闘兵衛が小声ながら鋭い口調で呟く。


「……っ!!」


その声に反応するかのように、皐月の姿が草木と同化し、音も無く消え去る。



「「っ!?」」



闘兵衛と皐月の、2人の行動に異常事態を感じ取った禁達3人は、気配を殺し、辺りを窺っているのだった。