その山の獣道は道という言葉が相応しく無い程に鬱蒼と生い茂り、連なる樹木が5人の進行を阻んでいる。 「……っ」 目の前を塞ぐように生い茂る雑草に、ウンザリとした表情のジェノスが、声にならないため息を漏らす。 海で生きるジェノスに山の移動は、少々酷な事でもあった。 先頭はすでに、ジェノスから闘兵衛と皐月に入れ代わっている。 2人は黙々と慣れた手つきで草木を掻き分けて、踏み込み、道を造ると、進み続けていた。