「……お嬢のウチにある天秤が、物事を量る事に面倒臭くなりやすと、全てを破壊するんスよ」


「……破壊?」


ヴォルトの抽象的な説明に対し、銃佐ェ門は再び問い掛ける。


「お宅ん所の若いのが、そうであるように……、ウチのお嬢もかなり凶暴でしてね?」


露骨に嫌そうな表情を作り、ヴォルトは仕方なく口を開く。


「……伊達に、皆殺しのジェノスって呼ばれているワケじゃねぇんスよ」


「……」


銃佐ェ門は、沈黙する。


身内に危惧される凶暴性であるが、さらに闘兵衛を引き合いに出す程に、危険視していた。