「闘兵衛っ!?」


『パグンッ』


紙洲がその名を呼ぶのと同時に、闘兵衛の右掌底突きが正確に侍の顎を、撃ち抜いた。

糸の切れた操り人形のように、侍はその場に崩れ落ちる。



「なんだっ!?」



虚をつかれた侍たちは、慌てて闘兵衛の方向に振り返った。



『スパンッ』



ほんの些細な間ではあったが、態勢の整わないもう一人の侍の顎に、流れるような動きで間合いを詰めていく闘兵衛の左掌底が、炸裂する。

既に二人、闘兵衛によって脳みそを揺さ振られた侍が、卒倒していた。