寝耳に水、である。
ティグはこの会議に喚ばれた事に疑問を持っていたのだが、まさか、肩書きを与えられるとは思ってもいなかったからだ。
「……水兵の強化という点において、明確に海軍を組織化する必要があるんで、な?」
鬼人はランスに向かい、説明の声を掛ける。
渋々ではあるが、頷く事しか、ランスには出来なかった。
元々、ティグに水兵の基礎、強化を任せていたのはランスである。
海軍が必要なら、ティグがそのまま昇進する事が適任であった。
「各軍団長は、辞令表と共に渡した書類に目を通し、兵士の補充と移動を指示、それに伴い副団長の使命を行い、私に報告して下さい」
捕捉するようにロインは全員に指示を出し、さらに口を開く。
「……それでは、これにて任命式を終了します」
深々と頭を下げ、ロインは鬼人に視線を送った。