闘華への妥当な辞令だったのだろうか、ランスもブレイドも互いに目配せをしただけである。



「続きまして、紅拳殿。軍事顧問として、兵士の強化、練兵をよろしくお願いします」


「心得た」


ロインの差し出した辞令表を受け取ると、紅拳は言葉短く呟いた。



「……ランス殿、陸軍第1軍団長を命ずる」


「了解」


ランスも、言葉短く返答する。


「ブレイド殿、陸軍第2軍団長を命ず」


「……了、解」


ロインの言葉にブレイドは一瞬だけ顔をしかめるが、承諾の言を返した。


一つの部隊を二つに分けるという内容は、戦力の分散を意味する。

ソレは能力の低下でもあるのだが、管理する者として一からの錬成は当たり前の事であるので文句は言えなかった。