険しい表情で渡り廊下を歩く鬼人は、その先に、人の気配がある事に気付く。


ランスと、ブレイドで、あった。

2人は、鬼人の存在を認めると会釈をする。



「……」


鬼人は片手を上げ挨拶を返すと、脇を通り過ぎずに足を止めていた。


「海を渡るのに、海賊に頭を下げるのはオモシロく無い、な?」


鬼人は正面を向いたままランス達と目を合わさずに、独り言のように声を発する。



「……そうです、な」


ランスも鬼人と視線を合わさないまま、呟く。


「海軍の状況は?」


互いに、独り言のように声を発する鬼人は、さらに続けていた。