「ナニィッ!?」



鬼人の表情が一変し、先程の桃華と同じように、驚愕の声を上げる。



「……イヤ、そうか」


すぐに冷静さを取り戻した鬼人は、一言だけ納得の声を漏らすと、眼光を鋭いモノに変えた。


剣山を倒せる程の男ならば、黒鬼を圧倒しても、おかしくはない。


鬼鴉にとって有能な人材を殺した張本人、闘兵衛という男。


計算外ではあるが、ココ日本でしか遭えない偶然の産物でもある。


一種の災害に近い闘兵衛という存在に、畏怖さえ感じていた。



「後で部下を遣す……。用件があるなら、ソイツに伝えてくれ」


鬼人は険しい表情を浮かべたまま、部屋を後にする。


不愉快さを通り越して、憤りを感じ、鬼人はそのちっぽけな存在を遺憾に思うのだった。