「そろそろ船の時間だ。……露払いを、頼むゾ」


鬼人は桃華を右肩に担ぎ直すと、黒鬼に呼び掛ける。



「ハッ、かしこまりました……」



化け物滲みたその風貌とは裏腹に、非常に礼儀正しく紳士的に黒鬼は頭を下げる。


黒鬼は受けた命令を実行する為、金砕棒を片手に港までの道程を駆け出すのであった。