「どうした?黒鬼」


鬼面の人物の鬼人は、その金砕棒の持ち主に尋ねるように、声を掛ける。

まるで些細な、瑣末な事でもあったような口ぶりであった。



「いえ……、全て片付きました」


黒鬼と呼ばれる闘兵衛を吹き飛ばした男は、言葉短く、何事もなかったように返答をする。


身長は高く、塀から頭一つ出ていた。

筋骨隆々で、体重は成人男性二人分程。

鬼のような形相に、ボサボサの黒い頭髪。


そして、浅黒い肌を持つ黒人であった。