道を疾走する闘兵衛は潮の匂いから、目的地の港が近い事を感じ取る。 その匂いと共に鼻腔に、ある刺激臭を嗅ぎとっていた。 (イヤな、予感がする) 闘兵衛はその臭いの正体を思い出し、不快感を表わす。 血の臭い、である。 海の潮の香りに勝る程の血生臭さ、だった。 「……っ!?」 道の端々に、死体が転がっている。 闘兵衛は少し驚いたが、すぐに冷静になり死体を確認していた。