「俺は、俺として……、お前と闘うっ!!」



闘兵衛は両腕を上げ構え直すと、真っ直ぐな瞳で鴉を見つめる。


憎しみも殺意もないその眼光は、人としての深さと重みを持っていた。


落胆とも、裏切られたとも、絶望にも近い表情を作り、鴉は闘兵衛と視線を交わらせる。


あるいは、鴉が認める敵とは、自分と同じモノであって欲しかったのかもしれない。



自分を殺せるモノは、己の目指す理想の自分―



渡り合える強敵に、ソレを求めていたのだ。