『ギャリギャリィッ』



「ヌハァァァ~ッ!!」



金属同士の擦れ合う、耳につんざく音と、鴉の怒気を孕んだ吐息が中庭に響き渡る。


上段からの二刀からなる斬り落とし―


頭部へと落とされたその太刀を、闘兵衛は両腕の鉄甲で防いでいた。


鴉はその痩躯のワリに、凄まじい腕力で、闘兵衛に太刀を迫り寄せる。


人間を殺す為だけに特化した技と能力は、狂気の沙汰どころではなかったのだ。