「……ッ!?」


皐月の顔に、焦りが生まれる。


実体がないかのように、手応えが、掠りさえもしない。


そもそも、先程の黒鬼戦ではないが、3人懸かりで相手にもされていない事に戸惑いすら感じる。


それを考えると、まだまだ黒鬼の方が人間味があっただろう。


今、相手にしている敵は幻であるような、そんな錯覚すら感じていた。