「もう我々には、戦場に立つチカラが残っておりません。私達の戦いは、すでに……」


「俺が鬼を名乗る限り、俺が立つ場所こそが戦場であり……、鬼鴉は羽ばたき続ける」


ロインは切実な思いで、声を発する。

鬼人はその感情を汲み取ったのか、諭すように答えた。


「……っ」


口ごもるように、ロインは黙り込む。

ロインが言いたい台詞とは、別の所にあったのかもしれないが、ソレ以上の言葉は、出なかった。