「そうか……」



天を仰ぎ見て、闘兵衛は無表情で呟く。


嵐の前の静けさか、無音にも近い状況は、徐々に殺気を増幅させる。


「ほう?」


硬く握られていく闘兵衛の拳を見て、ジェノスは嬉しそうにほくそ笑む。


紅拳を倒して以降、初めて見せる闘兵衛の戦いであった。


最強の空気を身に纏った闘兵衛の闘いは、一見する価値がある。



(見る麻薬、だネェ?)



冷笑を浮かべるジェノスは、闘兵衛とブレイドを見つめると、愉しんでいた。