「失敗に終わった後も、魔法使いたちは諦めなかった。なんとかして自分たちの理想を叶えようと躍起になった。世界のありとあらゆる魔法を集合し、解析し、分解し、融合させた。数え切れないほどの犠牲を払った。わからないほどの生贄(いけにえ)を捧げた。すべては最強の魔法を完成させるため。日々進化する魔法において、頂点を生み出すため。そうして何度も何度も試行錯誤し、幾年の月日を費やした。そして、完成したのが……“禁忌”。魔法使い自身が魔法となって、魔力を直接行使するというもの」
「魔法使いが魔法にって……そんなことやっていいのか……?」
驚愕した表情で麟紅が尋ねると、カーキーは表情を変えずに頷いた。周りも息を呑んだ。
「もちろん、当時ようやく完成した【絶対的義と法の教会(アブソリュート)】はそれを恐れた。“最強”が誕生してしまっては、それは支配者となり、世界の均衡を乱すからだ。よって【教会】はそれを“禁忌”とし、絶対に使用してはならない魔法として世界の魔法使いに使用を禁じた」
「それが……“禁忌”……ですか……?」
紫音が震えながら尋ねた。カーキーは無言で頷き、さらに話を続ける。
「魔法使いが魔法にって……そんなことやっていいのか……?」
驚愕した表情で麟紅が尋ねると、カーキーは表情を変えずに頷いた。周りも息を呑んだ。
「もちろん、当時ようやく完成した【絶対的義と法の教会(アブソリュート)】はそれを恐れた。“最強”が誕生してしまっては、それは支配者となり、世界の均衡を乱すからだ。よって【教会】はそれを“禁忌”とし、絶対に使用してはならない魔法として世界の魔法使いに使用を禁じた」
「それが……“禁忌”……ですか……?」
紫音が震えながら尋ねた。カーキーは無言で頷き、さらに話を続ける。