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 それから一時間ほど後、補習に出ていた常磐と檸檬、それを待っていた紫音が事務所に到着した。璃寛は用事があるので今日は来ないと言っていたらしい。
 カーキーは全員を集め、ソファに座らせた。一人用のソファに座り、手を組み沈黙した。
 しばらくそうした後、ゆっくりと口を開いた。

「<黄金の暁>……英語ではGolden Dawnって呼ぶんだが……。簡単に言えばさっき学園長のとこでも言ったように悪の魔法使いの組織だな」

「ずいぶんとわかりやすい説明だこと」

 わざとらしく麟紅が相槌を打った。カーキーはチラッと麟紅を見て、話を続けた。

「あいつらの目的はいろいろあんだが……、“禁忌”ってわかるか?」

 頷いたのは藍奈だけ。他は首を振って否定した。

「“禁忌”ってのは簡単に言えば魔法使いがやっちゃいけねぇことだ」

「やっちゃいけないことって……なんですか?」

 控えめに茜が尋ねると、カーキーは一瞬言うのを躊躇(ためら)うような素振りを見せ、これもまたゆっくりと口を開いた。

「魔法使いが……魔法になる……ってことかな」

「は? 魔法になる?」