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「なぁ、今朝いったい何があったん? すんごい気になんだけど」
そう言いながら麟紅の二つ後ろの席にいる常磐に話しかけたのは、クラスで二番目に身長の高い、通称ロッキー、御奴丁次(おんどちょうじ)。いつも楽観的でお調子者、クラスのムードメーカー(だがやはり麟紅には近づかない)である彼は、常磐の友人である。
「御冠神楽君と椿さんとお前はわかるとして、なんで夕凪さんまで呼ばれたん?」
直後に常磐の斜め後ろの藍奈が丁次を睨みつけたが、彼は気付いていないようだ。頬杖をつきながら聞いていた麟紅も一緒に睨もうかと思ったが、そんなことをすれば教室が一気に病室へと化すので止めておく。
常磐はどう切り抜けようか迷ったみたいだ。今は昼休みで、昼食を取ってほとんどすぐなので「おい、お前早く席に着けよ。先生が来たぞ」作戦は通用しない。しかしそれも一瞬で、すぐにあいまいな回答がなされた。
「え、ああ、まぁ、こっちもいろいろあんねん。あんま気にせんでもええやろ」
「いや、お前が気にするかどうかじゃなくてさ、まいいや。それより俺が話したいのは今日の補習のことだよ。どうする? 今日うっちー(ライティングの教師。本名、堀内)が担当だぜ?」
「うお! マジか!? あいつ目ぇ良過ぎるんよな。ほなどないしよ」
ずるっと手が滑った。なんか真剣な話をしていると思ったらサボりの話だったようだ。さらにその話に沖春(常磐、丁次と並ぶクラスの三バカ)が加わり事態はいっそう悪化した。
「なぁ、今朝いったい何があったん? すんごい気になんだけど」
そう言いながら麟紅の二つ後ろの席にいる常磐に話しかけたのは、クラスで二番目に身長の高い、通称ロッキー、御奴丁次(おんどちょうじ)。いつも楽観的でお調子者、クラスのムードメーカー(だがやはり麟紅には近づかない)である彼は、常磐の友人である。
「御冠神楽君と椿さんとお前はわかるとして、なんで夕凪さんまで呼ばれたん?」
直後に常磐の斜め後ろの藍奈が丁次を睨みつけたが、彼は気付いていないようだ。頬杖をつきながら聞いていた麟紅も一緒に睨もうかと思ったが、そんなことをすれば教室が一気に病室へと化すので止めておく。
常磐はどう切り抜けようか迷ったみたいだ。今は昼休みで、昼食を取ってほとんどすぐなので「おい、お前早く席に着けよ。先生が来たぞ」作戦は通用しない。しかしそれも一瞬で、すぐにあいまいな回答がなされた。
「え、ああ、まぁ、こっちもいろいろあんねん。あんま気にせんでもええやろ」
「いや、お前が気にするかどうかじゃなくてさ、まいいや。それより俺が話したいのは今日の補習のことだよ。どうする? 今日うっちー(ライティングの教師。本名、堀内)が担当だぜ?」
「うお! マジか!? あいつ目ぇ良過ぎるんよな。ほなどないしよ」
ずるっと手が滑った。なんか真剣な話をしていると思ったらサボりの話だったようだ。さらにその話に沖春(常磐、丁次と並ぶクラスの三バカ)が加わり事態はいっそう悪化した。