「なぁ、カーク」

「? なんだ麟紅? いつにも増して真剣な表情だな」

「俺はいつも真面目な顔してるっつーの。おかしいのはオメェらだ」

 軽く睨みを効かせながら麟紅は言い返した。が、すぐにもとの真剣な顔に戻す。

「……さっきから気になってたんだが、お前、<黄金の暁>って言葉が出た瞬間妙に反応したよな?」

 カーキーが立ち止まる。合わせて麟紅、藍奈、茜、朽葉も立ち止まった。

「拙者も気になっていたでござる。……カーク、何か知っているでござるか?」

 朽葉が尋ねても、カーキーは何も言わなかった。
 しばらくして、一、二分ぐらい経っただろうか、ようやくカーキーは再び歩き出した。
 そして、ゆっくりと口を開いた。

「世界には……お前らが知らないくらいたくさんの魔術結社、魔術集団がある……」

 話はそんな言葉から始まった。