「どうゆう意味だよ。」
俺は少し怪訝そうに顔をしかめると、タバコをふかす悠を睨みつけた。
悠は至って涼しい顔をしながら言う。
「どーせ、奈雲の事放って来たんだろ。」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てるアキラたちを尻目に
悠は天井に向かって煙を吐いた。
紫煙は吐き出された方向へと、高く舞い上がってゆく。
一方の俺は
悠のその言葉に何も言い返せなくて、乱暴にコーラを一気飲みした。
炭酸の感触が、喉の奥に消えて。
「お前と奈雲、足して2で割ったらちょーどいいのにな。」
そう言った悠の声が
シャウトするアキラたちの声にかき消された。
―――どうしたらいいのか。
そんな事、いくら考えたってわからなかった。
俺は寧々が好きで
寧々も同じ気持ちでいてくれて。
それだけで十分なはずなのに
どうして、俺たちはすれ違ってしまうのだろう。
そりゃ、俺だって
寧々が違う男と仲良くしてたら嫌だけど
それはお互い様じゃないか?
学校という組織の中に居れば
そうゆう事は日常茶飯事だし、むしろ避ける事なんて不可能だ。
大体、そんな事いちいち気にしてたら
俺、絶対ハゲると思う。
もう、どうしたらいいのかわかんねーよ…。