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男だらけのむさ苦しい小さな箱の中で、耳障りなヘビメタが耳を通り過ぎてゆく。

その音楽に混じって
俺は溜め息をコーラで飲み込むと、ハイタッチを促すアキラに手を挙げて笑った。




誕生日パーティーという名のカラオケ大会は
当の本人を差し置いて、異様な盛り上がりだった。


まぁ、男10人が集まっているんだから
当然と言えば当然なんだけど。

だけど俺はどうも、いつものように盛り上がれず
さっきからうわの空。



言うならば

心ここにあらず、っていう言葉が相応しい。





…寧々、何してるかな。



「はぁ…、」

堪らずにもう一度深く溜め息をつく。

すると、タバコの香りが強くなったのを感じて俺は横に顔を向けた。



煙がふわり、と俺をかすめてゆく。

腰からぶらさがるウォレットチェーンが鳴って、悠が俺の横にどかっと座って来た。



「お前って、バカ正直だよな。」

煙を吐き出し、そう言いながら。