「それでは、次の表彰に移ります。」
表彰式という名の全校集会は
中盤に差し掛かれば差し掛かる程
みんなが、だらけてゆくのがわかる。
俺もその一人だった。
この後に
あの校長先生の長ったらしい話があるのかと思うと
心底うんざりだと、みんなも同じように考えてる事だろう。
せめて、座って聞かせて欲しいモノだ。
だけど、すり抜けてくマイクからの声に
俺はぼーっと立ったまま
先程の寧々の事を考えていた。
…つーか、あれはマズイよなぁ。
せっかく気を付けてたのに
何であそこで寧々に見られちゃうんだろ。
これじゃ、寧々と話したって
上手くいかない気がして来た。
どうせ後で
ツメが甘い!とか
悠に怒られるんだろうな、俺。
そんな事をぼんやりと考えていた刹那。
バタン!!!!
と体育館に響いた音に、賞状を読み上げる教頭の声が遮られ
途端に、館内がざわつき始めた。
俺は状況が理解出来ずに
その音が鳴った方向へと視線を向ける。
―――思わず、心臓が止まるかと思った。
「…寧々?」