―――ずっと、隣で一緒に見たかった。
同じ景色を
同じ時間を
同じ気持ちを、昴の隣で。
…でも、あたしたちは所詮他人で。
同じ想いでいるなんて
最初から不可能だったんだ。
恋人になったからって
気持ちがいつも同じな訳じゃない。
近くなればなる程
相手の気持ちは見えなくなる。
昴と付き合ってからのあたしは
いつもそんな事ばかり考えていたのかもしれない。
どうして?何で?って
心の中で問い掛けてばっかりだった。
あたしばっかり
好きなんじゃないか、って
ずっと、不安だった。
だから、素直になれなくて。
意地張って
素っ気なく振る舞って
昴の気持ちを、確かめてた。
考えてみたら
昴はいつだって、あたしにたくさんの愛情を伝えてくれていたのに――。
――『寧々、』
――『俺も帰る!』
――『手、繋ご?』
ねぇ、昴。
あたし、昴が好きだよ。
今でも、ずっと。
今更、気が付いたって
遅いのに、ね。