「会いたかったんだ」


千昭がアタシをまっすぐな目で見つめる。



「…そんなのっ…知らない!アタシの指輪返して」


聞いたらダメ。

関わったら

ダメ……


「そんなに大事なの?この指輪」


まるで弱いものを
いじめるような目。

からかわれてる?

わからない。

必死って思われてもいい…


あれだけは…

「大切なの。その指輪がなかったら…」


何度も捨てようと思った指輪。

アタシには捨てられない…

まだ、忘れられない