いつもより、お洒落もして。

メイクもばっちりで、胸の開いた服なんか着て。


こんな高級なレストランに呼ばれるってことは、プロポーズとか?なんて、勝手に想像していたバカなアタシ。



幸せそうなカップル。


なのに、苦しいよ。

頭が回らないよ。


なんで?

信じてたのはアタシだけ?


頭の中は放心状態。


「さよなら」


他になんて言ったのかなんて覚えてない。

ただ、弱いところは見せたくなくて。

最後まで強がりなアタシ。
精一杯のアタシの苦しい笑顔。



ただ、逃げるようにその場所から離れた。



我慢ができなくて、


階段の下で一人で泣いた。


一年記念日にもらった指輪を眺めながら…