「あなたがこの家からいなくなっても、私は一人で生活して行きます」 「でも…」 「平気よ。寂しくなんかない…」 そういう母の顔は、とても淋しく見えた。 「でもある日突然、とてつもなく寂しくなった時は…。……そうね。犬でも飼うわ」 「…そう」 「ほら、もうすぐ10分よ。そろそろ行きなさい」 「…うん」