ヨシダの上着の右ポケットをジンが指差す。

「近所の住人が毎晩、警察に黒いバンの不審車両の通報をしてくれれば良い」

そう言われて、ヨシダはポケットから携帯を取り出した。

「電話すれば良いわけね?」

ヨシダの言葉に、ジンが黙って頷く。

「他には?」

「以上だ。何かあればまた報告する」