カラカラカラ…



「親父…」


『…』
『どーぞお二人とも』


奥の部屋を開けると大きな和室の奥に
2人が座っていた


中に入り聡と美咲は2人の前に向かい合わせに座る


『…』
『初めまして。美咲さん。』

と小柄で和服の似合う母親がニコニコしながら言う

父親は無言だったが先ほどの様に優しい眼差しで美咲を見ていた



「美咲?」


「はっ…はい」

「初めまして。美咲と申します。よろしくお願いします」



「親父、美咲と真剣に付き合っている。俺は守ってあげたい。だが…」


『…聡。わかった。村木に言っておく。決まり次第連絡する』


「ありがとう。親父」


そんな話しをしている間、美咲はとても緊張していた。



その時

(カタカタ…)


(ニャ~)
(…)


『あら。シロ、クロ、邪魔しちゃだめよ』
と母親に言われて
2匹はジッと見ていたが



(トコトコトコ…
モソッ…モソッ…)
(ゴロゴロ…ゴロゴロ…)


「えっ」「あっ!」
『…』『まぁ』


2匹ともまた美咲の膝の上で寝てしまった



『クックッ』
『クスクス』


「親父?…お袋?」
聡は驚いた。笑っている父親を見たことがなかったから


美咲は2匹の猫を撫でながら微笑んでいる