そのやさしい風が忘れられなく



いつのまにか
昼休みは生徒会室ではなくなっていた




ある日
あのやさしい柑橘系の香りのする風が感じられなかった



ふと目を開けると

いつも隣の席にいる人がいなかった



『…か…香山だっけ』


特に話しもしなかったし興味もなかった
でも
いつも窓の外ばかり見つめ
悲しい瞳をするのは気になっていた