右脚の地面が抜け、アタシの身体は斜めになっていた。
馬鹿が急いで脚を引き抜く。

「元気な客人だのう。そこら辺は抜けやすくなっているから、なるべく端っこを歩きなさい。」

老人は寛大だった。
床の事を怒りもせず、こちらを気に掛けてくれた。

年の功が為せる業。
少しは健吾にも見習わせたい。