「え〜と、立っているのも疲れるでしょう?どうぞ、お掛けください。」

(おい、ボーッとつっ立ってないで、早く座れってよ。)

いつまで経っても動こうとしない美咲を、俺は促した。
美咲は口を開くと何か言いたげだったが、すぐに口を閉じ、何も言わなかった。

明らかに様子がいつもと違う。
もしや、この研修医に惚れた?