「そうよね。女の子だものね。でも、平気よ?おでこに少し擦り傷が出来ただけだから。直に良くなるわ。」

なるほど、確かに額には絆創膏が貼られている。
そんなに大それた物ではないので、傷は浅いのだろう。

「とにかく持ってきて頂けませんか?」

婦長の言葉は所々に疑問が満ちたものだが、女として扱われる事にもだんだん慣れてきた。

今、何かを言っても事態を混乱させるだけだろう。
俺はぐっと堪えて、再び鏡を要求した。