暇だ。
とてつもなく暇だ。

一方、美咲はというと、目を瞑りながら電車のドアに身を委ねている。

コレって、寝てないか?

電車が駅に着く。
プシューという音と共に、ドアが開いた。

美咲は目を瞑ったまま、ドアの端の隙間に挟まって、乗り降りする人などを遣り過ごした。

どうやら、意識はあるようだ。