それに美咲って誰だ。

皆は俺に向かって「美咲、美咲」と言うが、俺の名前は島崎健吾。
女になった覚えもないし、その気も無い。

「分かんねぇ…」

俺がそう漏らすと、周りが騒ついた。

知らないおばさんと恭子の他にも、中年のおっさんや医者と看護婦、若い女性やらが俺の寝ているベッドを取り囲んでいる。