だが、アタシの心はすぐに曇った。

だって、一ヵ月よ?
一ヵ月も、この男と一緒にいなくちゃならないなんて…
コレはちょっとした悲劇よね。

「コイツの厄介な所は眠ったり意識が飛んだりすると、身体の所有権が替わる。しかし、それも猶予の一ヵ月に近付くにつれ、少しずつ回数が少なくなるじゃろう。」
「そして、死んだ方の意識がだんだん薄れていき、いずれ消える。まぁ、元々死んでるんじゃから、仕方の無い事じゃけどな。」

「…」

健吾は黙ったまま、じっと老人の話を聞いている。

まぁ、そりゃそうか。
ある意味、死の宣告を受けている訳だし。