何人もの友達の声は
慰めになり、励みにもなり、時には自身を空しくさせた。


―あたしは交響楽部を辞めたんだ…。

自分から切り出した当たり前の事実が、自らの胸を刺すなんてバカバカしかった。




まだほんの3週間前。
由梨亜は、コンサートミスとレスでありながら、交響楽部を退部していた。


大きな理由は、まず、楽しくなかったこと。

音楽が楽しくないのは、おかしいことだ。
納得がいかなかった由梨亜は、日頃から部活が嫌だった。

そして、周りの技術も低かった。

こんなモノの為に、時間をさきたくない―


その矢先に、由梨亜は他の部員との温度差から生じるトラブルにあっていた。


それがいわば『最後の一葉』だった。

もう我慢ならないと、由梨亜はオケの中での重役でありながらも退部申請をした。



あれからまだ、いやもう3週間―
コンミスが辞めれば、周りも迷惑はする。
だから今まで仲が良かった部員達とは、関わりがなくなっていた。