「えー、そんじゃココ、大槻!訳して。」

英語の教師は、近くで見ないと認識出来ない。

「はい。大槻さん?証明、前に書いて。」

数学の先生は、一語一語うるさいくらいはっきり話す。





「美香、交響楽部辞めたしね〜。」

昔の仲間の小さな呟きは
由梨亜の胸を刺すようだ。



悪気が有るのか無いのかは分からない。

教師達のように
普通にしていてもどこか歪みがあるだけなのかもしれない。

だけど、それはそれで辛かった。




「由梨亜は気にすることない!大丈夫!」

大槻由梨亜には、交響楽部を辞めてもちゃんと何人も友達がいた。


「うちらはハッキリ言って交響楽部の奴ら嫌いだったし、あ、由梨亜は違うよ?けどあーゆー奴らは嫌なの!だから由梨亜はよく勇気持って抜けてきたよ。」

「そーだよ由梨亜!偉い、あんたは偉い☆」