「お前…」

「な…何っ!?」


お前って言われて緊張した。
ど…どうして!?
なんでこんなことで緊張するの?
たかが“お前”だよ!??


「顔赤くね?タコみたいだなっ!」

「…なっ!!」


緊張して損した気分。
こんなやつに緊張して…。


キーィィンコーォン…


「お、もうこんな時間か。俺授業行くから、お前もちゃんと授業受けろよ!」


そう言って去っていった桐嶋。


「…私、何やってんだろ…」


今までこんなこと無かった。
あいつが…桐嶋が来てから私、狂いっぱなし。
相談をあんなに話したの初めてだった…。
他の人に聞いてもらうの初めてだった…。
そして…、
こんな緊張してドキドキしたの、いつぶりだろう…。

桐嶋…、あいつは何者なんだろう。