「あのさ~……」

私って、誰にも向き合ってもらえないんだよね、誰一人として。
私こんなんだから同じ歳の子もみんな私をさけるの…。
今までの先生もだよ…?
誰一人として私のことを考えたこともないの…。
親も私なんていないって状態で、まるで空気。
だから、誰かにかまってほしくてちょっと悪くしてみたり…。
でも、それは逆効果でどんどん人はさけていくの…。


「そうか…、でもっ!お前悪く見えなかったぞっ!!」


ケラケラと桐嶋は笑った。


でもね、あんたは違ったんだよ?桐嶋…。
私に怒ったのはあんたが初めてだった。
私はビックリしたんだ~…。
こんな私でもまだ、怒ってくれる先生がいるんだぁ~って、
この人だったら私も少しは変わるかな…って。
そのとき、初めて思った。