果ててもまだ体は
火照ったままだった

千穂の体の熱さが
伝わってきていた

Tシャツを着て
下着を着けた

千穂は立ち上がって
タバコに火をつけた

『辞めなよ』

俺の言葉を千穂は
聞き流した

いつから千穂は
タバコを覚えたんだ?

でも千穂…

お前にタバコが
とても似合ってる

火をつける仕草が
俺は大好きだ

俺は千穂の前では
タバコは吸わないと
思っていたはずなのに
千穂のタバコを1本
取り出して、火をつけた

少しきつめのタバコ

『大介も吸うんじゃん』

『今禁煙中なの』

『禁煙断念?』

俺は笑った

その笑いの後の無言

タバコの煙だけが
静かに揺れていた

千穂、何を考えてる?

タバコの煙をぼんやり
見つめている千穂に
俺は何も言わなかった

タバコを消してもう一度千穂を抱き寄せた

痩せすぎと言っても
おかしくないほど
千穂は痩せていた

もっと太ったらと
言うと、嫌だと
拒否されてしまう

話をそらす為に
千穂の唇を求めた

千穂はきちんと応じた

柔らかい唇を
重ねてくれた