たまたま寄った本屋

参考書を探していた

女の子達の声に
たまたま振り向いた

いつもは気にしないのに

なぜかその時だけは
振り向いてしまった

そこには毎朝電車で
会う彼女が笑っていた

声を聞いた事も
ないはずだったのに

なぜかその声に
振り向いていたのだ

俺はとっさに
また体を背けた

彼女は気付かずに
笑っていた

参考書を探そうと
目を参考書の棚に向ける

でも耳は彼女の声に
反応したままだった

どんな話をしてるのかはわからない

時々聞こえてくる笑い声

振り向きたくて
しょうがなかった

でも彼女は気付いて
くれるはずがない