その間も愛想笑いを絶やさずに返事を返す。
“ミユ”は横を歩いているが視線がほんの少し泳いでいる。
周りを幾度も見てるって感じだ。

はぁ―――ん。
まぁこのキツネが考えそぉなこった。


屋上に着いた。
『屋上とか1年以来かもぉ―。
あ!!ご飯食べよぉ,みんな!!』
はしゃいだように笑うキツネ。
まわりの取り巻きも座って賛同している。

あたしも《しょうがなく》座って弁当を広げる。

『ねぇねぇ,白川サンってさぁ...

何で毎日学校来るようになったの?』
笑顔で聞いてくるキツネ。
周りは知らないふりをしている

つまりは『来るな』って言いたいんだろう。
『え.....荒井が来いって言...『白川サン,荒井先生のこと荒井って呼びすてぇ―?!』
このキツネ,人の話聞く気ねぇな。
驚いた風にキツネが周りと騒ぐ。
うぜぇ,周りの視線。
『まぁ...。
あいつが学校来いってうるさいから。』
やっと理由を最後まで言った。
やれやれとお弁当を食べるのを再開。



『生意気。』
ふと低い声がした。
『あんたさぁ,今まで来なかったじゃん学校。
休んでばっかだったくせに今更?
先生に来いって言われてくるいい子ちゃんに転換?
そぉゆうのユミ的にぃ邪魔なんだぁ。』
来たよ,来たよ。
本性こんなもんだろ,とは予想してたから大して驚かない。