暗い闇の中はとても冷たくて寒くて俺はいつのまにか一人で心の奥深くにしまいこんだ情景の中を歩いていた。

母さんがいなくなって町の中を駆け回って一日中捜した。
子どもの俺では捜せる範囲なんてたかが知れていたけれどそれでも俺は必死だった。

辺りが暗くなっても俺はずっと走り回り捜し続け、いつの間にか小さい時から母さんと一緒に足を運んだ公園に来ていた。気が付くと母さんに背中を押してもらったブランコに座り込んで声をあげて泣いていたあの日。
忘れようとしていた悲しい記憶が蘇ってくる。


何故俺を捨てたんだ。

何故何も言わずに行ってしまったんだ。

母さんがいなくなったのは俺のせいなのか。

母さんは俺が嫌いでいなくなってしまったのか。



どうして―――?



その答えはずっと俺が探し求めていたものだった。