身につけているものを全て取り去り龍也先輩の隣りに滑り込むと彼の素肌に自分を重ねる。

熱で火照る肌を抱きしめてただひたすら祈る。
少しでもあたしの体温であなたが温かくなってくれるようにと。
少しでも悪夢からあなたを救い出してあげられるようにと。

あたしの身体を無意識に抱きしめて安堵するように溜息を付く龍也先輩。
その微笑みを見た時、こんなあたしでもあなたの心を少しでも癒してあげられるのだと涙が溢れてきて止まらなかった。

龍也先輩。どうしてあなたはそんなに強いの?

どうしてあなたはそんなに幸せそうにあたしを抱きしめるの?
ただ傍にいるだけでどうしてそんなにうれしそうに微笑んでくれるの?

あなたに幸せになってもらいたい。

あたしの全てであなたを幸せにしてあげたいの。

苦しみはあたしに預けて。

悲しみはあたしに分けて。

あたしの全てをあげるから

あたしの喜びも幸せも全部あなたにあげるから

お願いその心の中に重く抱え込むものをあたしにだけは分けて欲しいの。

あなたを心から愛しているわ