腕の力を緩め、キスを優しいものに変えてからようやくゆっくりと唇を離し見つめ合った。

「あけましておめでとう聖良 今年もヨロシク。」

「あけましておめでとうございます。龍也先輩。今年もよろしくお願いします。」

「来年も再来年もずっと聖良とこうして迎えような。ずっと俺の傍にいるんだぞ。」

「ハイ。ずっと龍也先輩の傍にいます。」


「好きだよ…聖良。愛してる。」


「あたしも龍也先輩のこと大好きです。…心から愛しています。」

「え…何?聞こえなかった。」

「いいんです。聞こえなくて。恥ずかしいですからっ。」

そう言って俺の腕からスルッと逃げ出し小走りに先を歩き出す聖良。

ほんっとかわいいのな。おまえって。

かすかに聞こえた聖良の囁くような声。





『心から愛しています。』





聖良…おまえの言葉が俺をどれだけ救ってくれるかおまえは知っているんだろうか。