「モテるのが、やだってこと?」


私は無言で頷いてから、口を開いた。


「以前は、メイドがいたのです。しかし、殆どがレオ様に近づきたいが為…よって、レオ様はバッサリと切り捨てました」


あの頃は、凄かった。


毎日が騒々しく、レオ様がうんざりしているのがわかった。


私も、多少はとばっちりを受けた。


「ふぅん…レオのことだから、両手に女の子侍らせてそうなのに」


…どうやらメイ様は、レオ様を無類の女好きだと思っているらしい。


そんな事は、決してないのに。


「メイ様、レオ様は…」


「ロゼ、余計なこと言うなよ」


急に現れたレオ様を見て、私は口をつぐんだ。


と同時に、メイ様はつまらなそうな顔をした。